【書きました】児童養護施設を巣立つ子にも教育を。”カナエール夢スピーチコンテスト”

子どもが自分でどうにもできない生まれ育ちの環境によって、“格差”をが産まれてしまう。そんな構造が社会にあって、そこに子どもたちがいること・・・それを知ることなく、私たちは暮らしているんだ、と思い知ります。

今回、「Rhythmoon(リズムーン)」のライターとして、カナエールという奨学金支援プログラムの、「カナエール夢スピーチコンテスト」を、取材しました。このスピーチコンテンストに出ること、出るまでのプロセスも含めてが支援になるしくみです。

 

勇気をもって「夢」をスピーチ。児童養護施設からの進学を支える”カナエール”

report

 

「夢」という言葉とともに「勇気」という言葉が何度も使われていましたが、彼らの夢は、ひとつひとつが、とても現実的です。そして、10代後半の年齢で、支援のもとで育った人生を振り返って自分の夢に信念を持ち、それを大勢の人の前で語る・・・それはどれだけ勇気がいることか。「勇気」という言葉以外の言葉は見つからないけれど、勇気という言葉が、こんなにずっしりとした重みをもって使われることが、日本の若者が夢を語るシーンであるだろうか・・・。取材者があつまるプレス席でも、涙をぬぐっていたのは、私だけではありませんでした。

スピーチを聴くことで、出場者のみなさんが夢見る職業ひとつひとつの魅力や尊さも、改めて感じました。そして、こんなふうに子どもたちに仕事というものや、働く姿を見せたいとも、大人として思いました。

日本には、親と暮らすことのできない子どもが30000人以上いて、その多くが児童養護施設に暮らしているという現実があります。18歳になって「児童」でなくなった後は自立しなければいけません。ちょうど児童福祉法が変わり、支援は厚くなっていく方向ですが、まだまだ現実では、教育の格差が生まれています。

個人で直接できること、社会の問題として考えていくこと、自分の人生を見つめること、ひとりひとりの人生と、頑張っている姿を見せてくれたことに感謝し応援しながら、いろいろなことを、考えさせられました。