絵本「ひみつの階段」〜 “冬至まつり”の物語

クリスマスは、冬至の時期とも重なります。

日がどんどん短くなって、冬至の日を境にまた長くなる・・・。太陽が命をふきかえし、再生する日が、冬至です。

 

のばらの村のものがたり(5)ひみつのかいだん (講談社の翻訳絵本)

内容(「MARC」データベースより)
のばらの村の冬至まつりの日、トードフラックス家の子どもたちが屋根裏部屋で衣装をさがしていると、カーテンのかげに小さなドアを見つけました。引きだしに入っていたカギで、ドアをあけると、長いらせん階段が…。階段の上で見つけたものは?

 

岸田衿子さん訳。大人の女性の夢ごころに。

自然とともに暮らす人々が、この日を特別と考えるのは、わかる気がします。人は、寒い冬、暗い夜にこそ、温かい部屋、絆のぬくもりを感じて過ごすことができる。。。それは、人がもつ特殊な力のようにも感じます。

この絵本に出てくるのは、「人」のような暮らしをする「野ねずみ」たちですが、まさに、その冬至の日を、暖炉の前で特別な日として過ごす物語です。

私は、「のばらの村のものがたり」シリーズの中でも、この「ひみつの階段」が特別大好きで、この絵と、装丁と、ひみつやらせん階段・・・夢がいっぱいの要素がつまっていると思います。

訳者は、岸田衿子さんです。

大人の女性にもおすすめの本です。そして、もちろん子どもたちにも、ぜひ。

豊かな自然と暮らしの描写。子どもたちに感じてほしい。

就寝前の子どもの読み聞かせにも使えます。長い話なので、早めに寝室にいきゆっくり見るのもいいのではないでしょうか。幾日かに分けて読んでもいいですし、また、早口でテンポよく読んだり、びっしり描かれた絵の細かいところを見たりすると楽しめると思います。

女の子好みの絵に見えますが、男の子も、特に小さな頃は抵抗なく、興味深く見ると思います。

自然の描写と暮らしの描写が多いので、欧米の歳時記のようなものを、知識ではなく雰囲気から感じ知るきかっけになると思います。さまざまな文化に自然に親しむためにも、小さな頃に読んでおいてほしいです。

作品の背景も印象的

我が家では、冬が近づく頃からクリスマスの本を何冊も読み聞かせるのが恒例でした。しかし、この絵本には、「クリスマス」という言葉が出てきません。ヨーロッパの古き好き「クリスマス」の雰囲気を彷彿させもするのに、「冬至まつり」とされています。また、大きなお屋敷が出てきますが、階級社会のを強く感じさせません。

そのような描写も、私は、気に入っています。その意味や背景に、思いをめぐらせながら。

また、作者ジル・バークレム(Jill Barklem)さんの人生も印象的です。1951年にロンドンで生まれた女性で、小さな頃の病気で運動ができなかったため、美術にであったそうです。ロンドンの混んだ地下鉄の現実から逃れるため、想像の世界に没頭して書きためたものが、このシリーズとのこと。

少し年代が違いますが、私も、ロンドンにはホームステイをしていたことがあったので、朝の地下鉄の混雑(日本の満員電車よりましだという気が・・・)や、郊外の自然豊かな風景なども思い出します。

愛蔵版や原書、Kindle版も。

残念ながら、この絵本はもう中古でしか手にはいらず、今は、この愛蔵版の中におさめられているようです。この本、少し高価だということもあるのですが、私にとっては特別な物語なので、何か特別なタイミングで手に入れたいと考えています。

のばらの村 四季物語

原書はこれです。これも在庫はないようですが、キンドル版が「近日発売」「予約可能」となっています(2015年12月20日現在)。ほしいです。

The Secret Staircase (Brambly Hedge)

色々な理由、問題があるのだと思いますが、もう手に入らない、絵本や児童文学が随分あります。でも、私にも、図書館や古本屋さんで出会った昔の本に運命を感じて調べることもありますし、心に残る本のことは、書いておきたいなと思っています。


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