【絵本】セミの子と夏(2)

この季節になると思いだす、大好きな絵本があります。

子育てをしながら出会いました。

セミの子やモグラの生態が優しく描かれ、読み終わったあと、とてもしんみりします。また、2人の暮らしにほんわりとした丁寧な暮らしの良さを思い出し、そして、やはり生命力に満ちた暑い夏のエネルギーが胸にしみる本です。

 

モグラくんとセミのこくん (こどものとも絵本)

 

土で暮らす「モグラ」 と 地上に出る「セミの子」 は、どんなに親しくなっても、一生ともに暮らすことはできません。
内容を知らずに初めてこの絵本を読み聞かせると、読む大人は、出会ったふたりが仲良く暮らす部分で、いつか来るセミの子の旅立ちを思ってハラハラすると思います。また、セミの子の「その時」がくる時のふたりについての描写は、私にはとても印象的でした。文字になく、絵に描かれた隠れた物語の発見も胸に残ります。

こんなにせつなくて温かい別れの物語のひとつひとつも、子どもや親の、心や人生を、育てて支えてくれそうなので、文学って素敵だと思うし、読み聞かせはおすすめです。

私は、娘が幼稚園のときに、この本を読み聞かせました。このお話がまだ絵本になる前に「こどものとも」として販売された薄い冊子のときです。当時は、毎晩、布団で何冊か読んでいました。すでに発達が遅れていた長男も、まだ障がいが社会的には生活の問題にはならず、病気がちだけどおっとりとおだやかな下の子として、ゆったりと暮らしていた頃です。

とても仲良くしていたママ友が、この絵本のことを「せつないよ、泣いたよ」と、読んだ翌朝、幼稚園で言っていました。彼女は、その後、東京を離れて、郷里でお店を開いています。いつか遊びに行くのが夢です。同じ歳の子どもをもつ母同士の友達は、日々の泣き笑いをともにした仲。子どもの成長とともに少しずつ道が違ってしまうこともあるけれど、離れていても、一生の心の絆を感じます。

 

※昨日、セミの動画、アップしました →  セミの子と夏(1)


 

 

(あらすじ)
土を掘って散歩していたモグラくんは、トンネルを掘って遊んでいて迷子になったセミのこくんと出会います。おなかがへってふらふらだというセミのこくんを、モグラくんは自分の家につれていき、ごちそうします。こうしてふたりはいっしょにモグラくんの家で暮らすことになりました。雪の降る冬が過ぎ、花が咲く春がやってきました。強い日差しの夏。秋には木の実がどっさりなりました。そうしたある日、セミのこくんの背中にひびが入り、中からすこし大きくなったセミのこくんが出てきました。モグラくんがびっくりして「せみのこくん だいじょうぶ?」ときくと、セミのこくんは「ぼくらセミのこは いちねんにいちど からをぬいで おおきくなるんだ」そして「らいねん もういちど からをぬぐと、ぼく、セミになるんだ」といいました。また楽しい一年を過ごした夏のある日、セミのこはもう土の中にいられないことに気づきます……。(amazon.com.jpより)

 

 

 

★ほかにも、このような本が。

(あらすじ)
地中で暮らすセミくんにある日、一本の電話がかかってきました。「ええ、そうです、いよいよ今夜です」 おやおや、一体何があるのかな。セミの幼虫の羽化を描く楽しい絵本。(「MARC」データベースより)


 

(内容紹介)
都会の限られた自然の中でたくましく生きる
日本の夏は、いつもセミたちとともにめぐってきます。
いなかでも都会でも、その声はひびきわたります。
でも、セミたちの命は、夏の終わりとともにつきてしまいます。
成虫が生きていられるのは、たった2週間ほどなのです。
翌年の梅雨に、残された卵から幼虫が生まれ、土の中をめざします。
しかし、待ちかまえていたアリたちにつかまってしまい、
ほとんどの幼虫が命を落としてしまいます。
命からがら、土の中にもぐりこんだ幼虫は、ゆっくりと成長をして、
生まれてから5年目の夏に、ようやく地上をめざします。
いよいよ成虫へと羽化するときがきました。
メスのセミが卵を産んでからは、6年もたっています……
都会のかぎられた自然の中でもたくましく生きるセミたち。
長い年月をかけて引きつがれていく命をとらえた写真絵本です。
【写真と文】筒井学(つついまなぶ)
1965年北海道生まれ。1990年より東京豊島園昆虫館に勤務。1995年から1997年まで昆虫館施設長を務める。その後、群馬県立ぐんま昆虫の森の建設に携わり、現在、同園に勤務している。昆虫の生態・飼育・展示に造詣が深く、昆虫写真家としても活躍している。
【編集担当からのおすすめ情報】
作者がセミの一生と同じ6年間をかけて、セミたちの生態を追いかけた力作です。やはりなんといっても、羽化したばかりのセミの透き通るような美しさとはかなさをご覧いただけたら幸いです。(amazon.com.jpより)


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